みなさんは着用されるスーツに対してどんなこだわりをお持ちでしょうか?
サイズ感?形?それともデザイン?機能性や利便性、流行などそれぞれ人によって重要視するポイントが違います。
福岡えびすテーラーでもオーダースーツをお作りする際、実際に細かく採寸し、お好みのサイズ感でお作りさていただくのはもちろんのこと、サイズ感以外にもご要望に応じてお好きなデザインにカスタマイズすることもできます。
お選びいただけるのデザインの幅も広く、ちょっとしたディテールの違いで、「涼しさ」や「温かみ」のような「季節感」であったり、「イタリアっぽさ」や「イギリスっぽさ」といった「テイスト」を演出することができます。
既製品ではできない、デザインをカスタマイズできることもオーダースーツの醍醐味といえます。オーダースーツを作る際、まずカウンセリングを行い、お客様が重要視されていることをお伺いする中で、
「体が大きいので既製品が着れない」
「流行のデザインが着たいけどその既製品が合わない」
「こういったデザインのものを探しているけどなかなか無い」
「ここをこだわりたいけど、既製品では無い」
あまりスーツにお詳しくない方は、
「暑いから涼しげなかんじで」
「ちょっとパーティーっぽいのかんじで」
と、ざっくりとしたイメージの方もいらっしゃいます。
サイズ感の悩みをお持ちの方や、思うようなデザインにたどり着けないという方、流行に敏感でデザインもお好みでカスタマイズしたいという方も実際に多いです。
そこで今回は、オーダースーツにおけるデザインについてお話ししたいと思います。
目次
オーダースーツをお好みのデザインに
まずは付属するアイテム選びから。
天然素材ボタン
生地との組み合わせで、見た目の雰囲気が大きく変わるのがボタンです。
高級なウール素材には本水牛のボタン、サラッと軽快なジャケットにはヤシの実のナットボタン、流行のブレザーにはメタルボタン、といったようにボタンを変えるだけで雰囲気を変えることができます。
裏地
続いてオーダースーツを仕立てる際に生地やボタンと同様にワクワクするのが裏地選びです。
素材、色、柄など多彩なバリエーションからお選びいただけます。
外側からはあまり見えることのない、自分だけが知るこだわりの柄。色や柄によって、季節感や遊び心をさりげなく表現することができるのも裏地の良さです。
実際に表の生地よりも裏地選びのほうにこだわりをお持ちの方もいらっしゃるくらいです。
こうしてボタン、裏地が決まればさっそくデザイン決めに参りましょう。ここからは全体の見た目の雰囲気です。
デザインをお好みにカスタマイズして ”~っぽさ” を演出
夏にピッタリの涼しげなシャツジャケット
暑い時期は見た目も爽やかに、着心地も軽やかに着たいものです。カジュアルジャケットには、一般的なスーツのフタつきの腰ポケット(サイドポケット)ではなくアウトポケットにするのが鉄板です。
また、肩パッドや芯地の入らないマニカカミーチャ(シャツ袖)にすると柔らかい印象になり、茶色いヤシの実のボタンで一気にカジュアルな雰囲気になります。
この投稿をInstagramで見る
・ナットボタン…タグワヤシという固いヤシの実を削り染色したボタンで、美しい木目が特徴です。
・アウトポケット…一般的なスーツにはフタつきのポケットが定番ですがアウトポケットはカジュアルさを出すことができます。
・マニカカミーチャ…通常のスーツの肩回りには”芯”や”パッド”が入っていて少しボリュームがありますが、それらを省くことで”カッチリさ”をなくすことができます。
・ステッチ…襟の部分にミシンステッチを施すことで少しカジュアルな印象に変わります。
スーツのカッチリさをなくし、適度にラフにすることでどこか”リゾートっぽさ”を感じます。
流行の紺ブレ
アメリカントラッドの象徴の紺ブレの定番は、濃紺に金のメタルボタンですね。ややゆったりとしたボックス型のシルエット、肩パッドの少ないナチュラルショルダー、少し幅広めのステッチといったデザインが定番です。
この投稿をInstagramで見る
・段がえり3つボタン…ちらっと見える第一ボタンホールがアメトラっぽいアクセントになります。
・メタルボタン…刻印入りのデザインのボタンは、よりヴィンテージ感を演出できます。ゴールドのほか、シルバーもございますので着こなしに合う方をどうぞ。
・フタつきアウトポケット…一番カジュアルな印象で、アメリカ式のトラディショナルなデザインです。
・フックベント…これは背中側の縦に入ったスリット(切れ込み)で、一般的なビジネススーツには”センターベント”や”サイドベンツ”が主流ですがアメリカントラッドにはベントの開き止まりが かぎ型 になった”フックベント”が定番です。
・ステッチ…アメトラは7ミリ幅のステッチが定番です。
濃紺の無地にメタルボタンを組み合わせる事で、オンオフ問わず着用いただける万能な紺ブレです。
1.5次会やパーティーでさりげなくフォーマルなテイストを
タキシードほどカッチリしすぎないデザインで、カジュアルな中に少しドレッシーな雰囲気を取り入れたいというご要望も多いです。
通常のシングルブレストに用いられる襟型(ノッチドラペル)から、先の尖った襟型(ピークドラペル)に変更することでよりドレッシーな印象に。
・ピークドラペル…ダブルブレストのジャケットにつくことの多い襟型ですが、タキシードなどのフォーマルドレスにもよく用いられる、シングルのジャケットにピークドラペルの組み合わせはよりドレッシーな印象に変わります。
・天然貝のボタン…”マザーオブパール”と呼ばれる真珠層の独特な光沢をもつ蝶貝や、高瀬貝などの貝ボタンをあわせるとより高級感が増しますね。
・ノーベント…非常にドレッシーなテイストで本来のタキシードのデザインにもドレス向きなスーツやジャケットにノーベントを選ぶ事も多いです。
襟の形はジャケットの表情を大きく左右するものですが、パーティーなど華やかなシーンに合った高級感のあるデザインになりますね。
まとめ
ベーシックなデザインからを少しアレンジを加えるだけで ”~っぽさ” を表現することができます。
一部有料のものもありますが、デザイン変更、そのほかのアイテムも多数ご用意しておりますのでご来店の際は、お客様のこだわりの部分をぜひお聞かせください。