スーツと言えば欠かせないパーツがあります。「ボタン」です。
スーツの印象はボタンひとつで大きく変化します。
オーダースーツでは数あるラインナップの中からボタンの数や素材、色を選ぶことが可能です。
その際に役立つような「ボタンの種類とその選び方」について福岡天神大名のオーダースーツ専門店「福岡えびすテーラー」のスタッフがご紹介いたします。
目次
スーツに付いている代表的なボタン
まず、スーツに付いているボタンの種類についておさらいしておきましょう。
スーツには主に「フロントボタン」と「袖ボタン」のボタンが付いています。
フロントボタン
ジャケットの前身頃に付いているボタンで、ジャケットのデザインに応じてボタンを留めて着用します。
一般的には一番下に付いているボタンは外して着用します。(アンボタンマナー)
袖ボタン
ジャケットの袖に付いているボタンで、一般的なスーツであれば3つか4つのボタンが付いているケースが多いです。
ボタンの数が少なければカジュアルな印象となり、米国のブレザーなどには袖ボタンが2つのものが多く見られます。
ボタンの数
ジャケットのデザインを選ぶ際に重要になってくるのが、フロントボタンと袖ボタンの「数」です。
スーツのフロントボタンで主流なのは、
・2つボタン
・段返りの3つボタン
です。
2つボタンは最もスタンダードなデザインで、礼服のデザインにも用いられます。
段返りの3つボタンは、一番上のボタンがラペルの返りで隠れたデザインで、真ん中のボタンのみを留めて着用します。お洒落なジャケットによく用いられます。
ダブルブレストになればボタンの数も増え、最近では「6つボタンの2つ掛け」がメジャーになっています。
タキシードのジャケットになると「1つボタン」が主流です。
続いて袖ボタンにつきましては先述したように、
・3つボタン
・4つボタン
が主流です。その中でも、
・ボタンとボタンの間に隙間のある(ボタン同士が離れた)デザイン
・ボタン同士がくっついたようなデザイン
・ボタンが重なっているデザイン(重ねボタン)
があります。
スタンダードな袖ボタンのデザインは、「ボタンが離れているもの」や「くっついているもの」で、その場合は3つボタンにすると見た目のバランスがとれるでしょう。
重ねボタンはイタリアなどのお洒落なジャケットによく使用されています。
重ねボタンにする時は4つボタンにするのがボリューム感が程よくおすすめです。
ボタンの色
ボタンの色次第でスーツのイメージは大きく変わります。
一般的にはスーツの色に近い色のボタンを付けたり、ブラックやダークブラウンのボタンを付けることが多いです。
カジュアルなジャケットやパーティーを想定して着用するスーツであれば、アクセントとしてボタンを選ぶのも面白いでしょう。
ボタンの素材
ボタンの素材にこだわれば、ジャケットに高級感をプラスすることができます。
その場合は水牛などの天然素材を使ったボタンがおすすめです。
水牛
天然素材のボタンでは最もメジャーで、ビジネススーツとの相性も良くジャケットの印象を格上げしてくれます。
自然なツヤ感があるボタンや、ツヤ消しの落ち着いたボタンもあります。
カラーもブラックに近いものからベージュのボタンまであり、スーツと合わせる靴やベルトなども選びやすくなるのがメリットですね。
ナット
「タグワヤシ」と呼ばれるヤシの実の種を使用して作られており、カジュアルなジャケットとの相性が良いです。
天然に近い明るめのアイボリーから、鮮やかなブラウンや深みのある赤茶色までカラーバリエーションが豊富です。
使い込むほどに経年変化が楽しめるのも大きな特徴ですね。
メタル
真鍮などの金属でできたボタンで、エンブレムが刻印されておりブレザーに主に用いられます。
金色や銀色がメジャーな色で、金属ならではの光沢感や重量感がジャケットに高級感をプラスしてくれます。
プラスチック
私たちの生活の中でも馴染みのあるプラスチックを使用したボタンで、手頃な価格で入手できることと、天然素材では難しい色合いを再現できるのが特徴です。
皮
カジュアルなコートなどに使用されることが多いボタンです。
明るめのボタンであれば使い込むほどにツヤ感が増し、色合いも深くなっていきます。
くるみボタン
タキシード、モーニングコートなどにも使用されるボタンで、プラスチックや金属のボタンを絹などの布で包み込んで作られます。
ハンドメイドの温もりを感じたり、素材次第で様々なデザインのボタンを作ることができるのが特徴です。
その他、スーツのボタンに関する豆知識
スーツに詳しい方に人気のある「本切羽」は、上質なスーツの特徴として取り上げられることが多いです。
袖ボタンのボタンホールに穴が開いているのが特徴で、袖ボタンの内のいくつかを開けて着こなすテクニックもあります。
ただし、袖口に穴を開けてしまうため、袖の長さを補正するのが難しくなるので注意が必要です。
まとめ
スーツの生地やシルエット同様に、ボタンもスーツのイメージを大きく変える重要なパーツです。
今回の記事がスーツ選びの参考になれば幸いです。
「オーダースーツに関するお問い合わせ」「ご予約」「お仕立券の発行」その他ご相談など
福岡えびすテーラーLINE公式アカウントからも承っております。