先日お客様と話していて、
「オーダーメイドスーツとオーダースーツって違うの?」
というご質問をいただきました。というわけで、今回はそのあたりの事を書いてみたいと思います。
オーダーメイドスーツとオーダースーツの違い
結論から申し上げると一緒です。
オーダーメイドスーツ、オーダースーツの他にも、テーラーメイドスーツやビスポークスーツとあまり聞きなれない呼び方をすることもありますが、すべて同じです。
厳密にはオーダーメイドのスーツも、フルオーダースーツ、イージーオーダースーツ、パターンオーダースーツと分かれており、それぞれのメリット・デメリットはありますが、お客様の体型を採寸しそれに合わせて仕立てるという意味では一緒です。
言葉は似ていても違うのは「レディメイドスーツ」です。
これは、既製品の事を指します。
S/M/Lや、A5とかAB4とかサイズの表記や呼び方は違いますが、もともと出来上がっているスーツの中からお客様にサイズを選んでいただく。これが「レディメイドスーツ」です。
当然ですがこのレディメイドは「Ready Made」なので、レディースオーダースーツ「Lady’s Suits」とは関係ありません。
ついでなので、先ほど出てきて、よく混同されがちな「フルオーダースーツ」「イージーオーダースーツ」「パターンオーダースーツ」の違いについてもご説明してみます。
フルオーダースーツとは
フルオーダースーツとは、オーダーメイドスーツの中でも最も手の込んだ仕様のものです。
主に一人の職人が採寸をし、パターン(型紙)を作り、それに合わせて裁断、縫製をしていきます。メリットとしてはデザインやサイズの自由度が高い事です。一人ひとりにあわせてデザインを作り細部を作りこんでいくため、スーツのいたるところに細かなデザインや工夫を施すことができます。
デメリットは価格がどうしても高価になってしまうことと、時間がかかることです。
価格の目安としては、例えばカノニコクラスの生地を使ったとして1着あたりが20万円から40万円、もしくはそれ以上になることが多いようです。
ほとんどの場合ひとりの職人さんによって仕立て上げられるので、納期は職人さんのいそがしさによりますが、半年から1年位かかることもあります。
イージーオーダースーツとは
フルオーダースーツの自由度やサイズ合わせの細やかさをできるだけそのままに、価格を抑えたものが「イージーオーダースーツ」です。
イージーオーダーのメリットは、デザインや体型補正の自由度はフルオーダースーツに迫りながら、価格が抑えられ、納期も1~2か月と比較的短いことです。
広島えびすテーラーのオーダーメイドスーツはこの「イージーオーダー」に分類されますが、選択できる裏地の種類や、天然素材のボタンなど種類の豊富さでは、フルオーダースーツを超える種類をご準備しています。
フルオーダースーツよりも価格が抑えられる理由は、複数の職人による作業分担と効率の改善によるところが大きいです。
例えばフルオーダースーツの場合、職人さんが文字通り紙の型紙にパターンを描いていくのに比べ、イージーオーダースーツのファクトリーではCADを使ってラインを引いたり、体型補正を行います。
他にも、パターンを引く(描く)人、裁断する人、上着を縫製する人、パンツを縫製する人など作業を分担することで効率よく仕上げていくため、手仕上げにもかかわらず細やかなデザインや体型補正に対応することができるのです。
価格は広島えびすテーラーの場合38,000円からです。
お好みに合わせて生地のレベルを上げたり、縫製レベルをさらに上げるなどの方法もご用意しています。
納期は概ね1カ月くらいです。
パターンオーダースーツ
パターンオーダースーツは、オーダーメイドのスーツの中でも最も簡単なものです。
あらかじめ決められたいくつかのパターンの中から基本となるモデルを選びます。そしてゲージ服の中から最も体のライン近い1着を選び、そこに体型補正を加えて仕上げていきます。
メリットは安価で仕上げが早い事です。28,000円程度からという安さのものもあり、納期は2~3週と、中には早い納期のお店もあります。
デメリットは、自由度がそれほど高くないことです。
サイズや体型への調整に制限があるため、体型に癖のある方は着心地が合いにくい場合もあります。デザイン面のオプションも制限があり、裏地の種類やボタンなどの選択範囲があまり多くない場合も見られます。
まとめ
オーダースーツとオーダーメイドスーツの違いはありませんが、オーダーメイドスーツとレディメイドスーツは全く違います。
オーダーメイドスーツの中でも、フルオーダースーツ、イージーオーダースーツ、パターンオーダースーツで、できることや価格、納期などは色々変わってきます。
ご予算やイメージするスーツに合わせて、いろいろなオーダースーツを試してみてくださいね。