夏に着たい!オーダースーツの生地7種

投稿日:2018年5月24日 更新日:スタッフブログ

オーダースーツ業界でもクールビズスタイルが定番になっておりますが、会社での会議、公的な場所への訪問や、結婚式やパーティーといったフォーマルな場など、スーツを着なくてはならないシーンも少なくありません。

これからやってくるムシムシした暑い夏の時期でも涼しく快適に過ごす為には、素材や生地選び、裏地の仕様の選択などが重要になってくるのではなないかと思います。

そこで今回は、これからやってくる暑さににも涼しく着ていただく為の生地選びのポイントをご紹介致します。

夏向きの生地

モヘア混

まずは、毎年多くの生地メーカーが発表する春夏の代表的な、主に夏素材に用いられるのが、【モヘア】という素材です。モヘアとは、アンゴラ山羊という乾燥地帯に生息するヤギの一種の毛で、その毛で織る生地はというと、まるでシルクのような光沢で見た目もとても高級感があり、シワになりにくく耐久性に優れ、断熱性も兼ね備える言うことなしの生地なのです。

中でもキッドモヘアと言われる生後一年未満のアンゴラ山羊から取れる毛は、カシミアの様に柔らかいうえに強靭でモヘアよりもさらに光沢が増すので世界の高級ブランドが好んで使用します。

ただし、雨には弱いので梅雨の時期には不向きですが、夏の暑い時期には最適です。シワになりにくく仕上がりも高級感ある光沢なので、重要な会議や公式の場所への訪問、結婚式などのカッチリとしたシーンにおいてもご使用いただけます。春夏兼用であればモヘア混毛率は10%から20%くらいがいいでしょう。

 

リネン混

ウールやモヘアなどの動物の毛ではなく植物の亜麻(麻の一種)の茎から作られる天然素材、【リネン】も代表的。

その歴史は古く紀元前8000年頃から使用されていたといいます。ここ日本でも古くから親しまれ、衣服の他にもタオルやシーツなどのベットリネンとしても使用され、生活に欠かすことのできない物であったリネンは世界最古の衣類として現在まで重宝され続けています。

特徴としては、強い耐久性です。コットンやシルクなどよりも丈夫で、吸水、発散性に優れているので汗や水分などを素早く吸い取りそれを発散させる特徴を持っています。さらに、防カビ性に優れ、雑菌の繁殖も抑えるのでもちろん匂いも抑えてくれるのです。こういったことからも分かるように高温多湿の日本でも昔から愛されているんですね。おまけに柔らかく肌にも優しいというのが嬉しいですね。

生地の見た目は天然素材らしいナチュラルな風合いと程よい光沢で清涼感があり涼しげな雰囲気なのでとても人気です。

ドライでザラっとした手触りで清涼感のある生地で着用時にヒンヤリとするリネンはムシムシしたこれからの季節にピッタリです。薄いベージュや白のカジュアルなイメージが強くビジネスシーンで使いにくいのではないかと思われがちですが、多くの生地メーカーがシックなカラーを含め沢山のカラーを発表しています。

特に黒の生地は光沢もあり、カチッとした印象でビジネスシーンでも涼しく着用していただけます。繊維が一定の太さではなくザックリとしていてシワになりやすいというのも特徴ですが、着用すればするほど味のある風合いになっていくのも一つの楽しみ方でしょう。

インナーも揃えてリネンシャツにされると統一感がでます。ウールはもちろんコットンのパンツも相性がいいのでカジュアルなジャケパンスタイルでも着用していただけると思います。

 

コットン

そして衣類の中で最も多く使用されている素材が【コットン】です。木綿植物の種子につく綿毛から作られるコットンは、タオルやTシャツなど、多くの衣類に使われるおなじみの素材ですが、極めて繊細な繊維でとても吸水性が高いうえ、水分を外へ発散する性質を持っているので常に涼しく感じられます。

生地の織り方も様々で 、ウールに比べサラッとした軽い着心地なので世界中で愛される生地なのでしょうね。定番カラーののベージュはこの時期とても人気があります。

中でも人気が高まってきているコットンツイルは、見た目はかっちりとして着心地は軽く滑らかで、流行のコロニアルカラーの定番のベージュはもちろん、清涼感のあるブルー系もおススメです。

ウール素材のジャケットとコットンパンツを合わせたり、別々に組み合わせる事もでき、ストレッチ素材でセットアップをタイトに着用したりと、カジュアルからビジネスまでこれからの時期に万能な生地ですね。

 

トロピカル

いかにも夏らしいネーミングの【トロピカル】は織り方の名称でサマースーツの生地で必ずと言っていいほど使われる素材です。

基本的にはウールを用いた平織りですが、上記のリネンを混ぜたものなど暑い夏向けに風通しを良くする為にあえて目付を軽くした生地で、薄くコシがあって見た目もサラッとしたドライな印象で夏の代表的な生地といえます。

無地のものや、チェック柄、ストライプなど柄の種類も豊富なのでビジネスからカジュアルまでどんなシーンにも対応できます。

 

ホップサック

ラフでザックリとした織り目の平織りのツイードのホップサックですが、ビールの苦味の原料のホップを運搬する際に使われた麻袋と同じ織り方をしているためこの名前が付けられました。

通気性も良く軽い着心地でウール100%のものや、コットン、リネンなどでも多く扱われている生地で主に夏用のジャケットやスーツ生地で使われています。

最近ではビジネスシーンでも定番な生地として扱われてきていますのでセットアップのスーツとしても十分お使いいただけると思います。


ジャケパンスタイルとしてもウールパンツと組み合わせでビジネスに、コットンパンツでカジュアルに非常に合わせやすい生地ですので重宝します。

 

シアサッカー

今年の流行の生地で、様々な場所で見かけることが多いのではないでしょうか。

原料は主にコットンで、織り方は暑い季節には定番の平織りですが、このシアサッカーという生地は、タテ糸を緩ませたり強めたりと、強弱をつけてデコボコとした生地に仕上げます。

そのため、通常の平織りの生地よりも皮膚やインナーのシャツに当たる面積が少なく、汗をかいた際のベタつきも解消されるのでとても涼しく来ていただけると思います。


ボタンダウンのシャツに合わせてリラックスしたスタイルに合いそうです。

 

サマーブークレ

今、トレンドのブークレは、ループした糸を織り上げたふわっとした柔らかいタオルの様な手触りで着ていてとても気持ちのいい生地です。どのメーカーも遊び心のあるユニークな柄が多く、カジュアルなシーンにはピッタリの素材だと思います。


コットンパンツやデニムとも相性がいいのでカジュアルなシーンで活躍するでしょう。

 

今回は、代表的な生地や織り方を紹介ましたが、このほかにも涼しく過ごすためのポイントを別の記事で紹介しようと思います。

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